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本土復帰時、1972年の沖縄漁業の生産量は約55,000tです。(農林水産省)魚の種類も今より数多く色鮮やかな魚も市場にあふれ活気に満ちていました。
2012年の水揚げ量は、32,753t。その殆どはマグロ・カジキ・セーイカ類で占め、沿岸やイノーの海で獲れた魚は激減しています。40前に比べて約40%減少しています。マグロ・セーイカ等の海面漁業の生産量で比べると71%も減少しています。
逆に養殖の生産量は737tから17458tと急激に伸びています。その要因は、1977年から始まったもずく養殖によるものです。もずく養殖や海ぶどうの養殖は、恩納村漁協から始まり全県的に広まりました。
海面漁業の生産量が急激に減った主な原因は40年に及ぶ沖縄振興開発に伴う都市開発や埋立事業、沖縄国際海洋博覧会のインフラ整備が西海岸各地で行われたからです。
40年間で埋め立てられた面積は、33,14㎢です。宜野湾市と北谷町を合わせた広さのイノーの海が消えました。
更に、海岸沿いにある米軍基地や沖縄近海の大半を占める米軍演習制限海域は、70年以上沖縄漁業発展を阻害している。この厳しい現実と環境悪化の中、海人は安全に漁が出来ず、漁業収入も不安のまま今の漁業に希望を見出せない状況にいます。
しかし、沖縄の漁業にはまだまだ多くの可能性があります。埋め立てられた海は元には戻れませんが、残されたイノーの海は復帰前の豊かな海に復元する力があります。
50年前に埋立が始まった糸満の海は、珊瑚と海藻の豊かな海に回復し始めています。
新たな事業として観光漁業があります。
もずく等の海面養殖漁場に観光客を案内しツアーを運行すれば観光収入が得られます。
また、大型定置網漁は海の生態系を守る資源管理型漁業で自然体験学習と組み合わせることで、多角的な収入も得られます。市町村や観光団体と提携できる事業となるでしょう。
これから、沖縄県の水産業は他府県にない亜熱帯型養殖と観光産業を取り組むことで、大きく発展し、次世代の産業になります。
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